Product design
データ読み取り式避難者把握ツール〜PITTO〜
制作期間 2017.10〜2017.12 2019.1〜2019.2
目的 コンペ応募(6人グループ)
受賞 「第1回 産業技術大学院大学ITとデザインエンジニアリング ソリューションコンテスト」佳作
     「減災デザイン&プランニング・コンペ2019」入賞
使用ソフト
概要
 PITTOは、財布やカードケースなどにかさばらずコンパクトに入れておけるカード型・子供や年配者、外国人観光客も身につけやすいお守り型の2種類から選択可能な、読み取り式避難者把握ツールである。緊急の避難を要する災害が起こったとき、避難所においては、集まる被災者の人数や状態を把握するために、人手はもちろん、正確に情報を把握するための時間が必要となる。PITTOには、氏名・性別・誕生年・国籍・避難時に配慮が必要なこと(持病、障がい、LGBTQ、アレルギー、言語など)の5項目がデータとして内蔵されており、導入することによってこれらにかかる人員および時間を削減することが可能。避難所に読み取り機を設置し、国でPITTOを配布・登録することを想定している。
スピーディーに人数を把握するだけでなく、一人一人のPITTOに内蔵されている細かな情報も同時に取得できるため、ニーズを把握して適切な量・種類の物資を届けることが可能になる。
※各データの公開先は災害対策本部等のデータの送信先や避難所の責任者、医療関係者に限られるため、他の利用者に公開されることはない。
グラフィック
 PITTOのシステム内容等、ほぼ全てグループ全体で決定したが、PITTOのビジュアルデザインは個人で担当した。

災害時の不安な気持ちを少しでも和らげたいという思いから、メインカラーとして暖かな黄色を使用。また、「苦を抜く」という意味を持つ、釘抜をモチーフにした和柄を全体にあしらっている。初期案では、決定案と同じく釘抜柄を用いたデザインやカードをピッとかざすイメージを取り入れたもの、日本の国旗や救助、医療のイメージがある紅白を使ったデザインなども制作・検討した。
初期案
PITTOの活用場面1
1 カードを読み取り機にかざす
2 読み取ったデータを災害対策本部に送信する
3 データをもとに必要となる物資を配給する




年齢や性別によって必要となる物資も正確な数を把握できるため、過不足なく届けられる
PITTOの活用場面2
災害時の混乱状態の中では早期に把握しにくい目に見えない病気、障害を持った方、妊娠されている方などの情報を把握し、必要となる物資の申請や特別な配慮を滞りなく行えるようにする。配慮が必要な方のデータを早期に把握することで、持病の悪化等による災害関連死を防ぐ。
1  カードを読み取り機にかざす
2  避難所職員が読み取ったデータを確認
3  データをもとに要配慮者に適切なサポートをする
アレルギーや持病を自身で説明することが難しいこどもなどが一人で避難した際にも、情報をPITTOから読み取ることができるため、誤ってアレルギーの食べ物を口にしたり、必要な薬を服用できなかったりすることを防ぐことができます。
PITTOの活用場面3
1  負傷者のカードを読み取り機にかざす
2  救急隊員が読み取ったデータを確認
3  負傷者の親族に連絡。持病やアレルギーがある場合は、治療時に注意することが可能


災害によって意識不明になった際、駆けつけた救急隊員がカードを読み取ることで、身元や持病、服用中の薬、アレルギー等を把握。これにより、負傷者が自分の意思が伝えられない状況であっても、スムーズに治療を開始することが可能。
©️2019 AnjuKishi